愛の神
中町と寺崎の地境にあり、安楽寺境内の端にあたる場所にあります。ここに豊かな湧水があり、近隣の人々は井戸を造り生活用水として使ってきました。この湧水に感謝して愛の神を祀ったと思われます。
また八雲神社祭礼の前日に、井戸水を汲み換え、神職がお祓いをして清め、その水を使い供物の米を蒸していました。そして、神輿の御旅所にもなっています。
石祠の右側に「奉建立愛之御神石室 施願主」、左側に「干時永禄八(1565)丁丑五月吉日」の刻字があります。男女二神の浮き彫り坐像で、田の神、水の神として祀られたと思われます。(「饗の神(アイノカミ)」に由来するのかもしれません)
昭和35年に簡易水道が布設された時、水源地として井戸が取り壊されて貯水槽になり、さらに新しく水道が敷設されると防火用水に転用されましたが、平成21(2009)年の復元工事で井戸が蘇りました。
震災でも枯れなかったと伝えられる井戸で、八雲神社のお供えに使われる聖なる湧き水です。