ウミアマ



 「ウミアマ」(海海女?)は、海女たちが大勢いる時は出ませんが、たった独りで潜っている時などに、よくアイクグリで現れるということです。
 海女が上がると向こうが潜り、海女が潜るとウミアマが上がるということですが、ウミアマは後鉢巻の姿ばかり見えるモノだといわれているそうです。
 そして、ウミアマを見た人がテキイ(病気・テキナイでしょうか)になったそうですが、その人は人形を作って流して病気を直したらしいのです。  

 以上が、雄島村のウミアマの話でしたが、三重県志摩地方にも「トモカヅキ」という話があります。後鉢巻で裸で海に入ると、トモカヅキも同じ姿で赤潮・白潮に混じって現れ、あれは誰かと見たりすると、命を失うとされています。
 この類の話は他にもあるようで、危険があるかどうかは別として、ウミアマやトモカヅキ類の経験は、海中深く潜る海女さんたちにとって、生理的に起こりやすい幻覚なのかもしれません。