雄島の話 「鯨」

  昔、雄島の神様が安島に来られる時、ノタ(波)に乗せていってくれと頼んだが「いやだ」と断られてしまいました。そこで、今度は鯨に頼んでみると、鯨は引き受けてくれ、雄島の神様は安島まで乗せて来て貰ったといわれています。
 この言い伝えがあってか、安島の人々が鯨を食べても、ぢぶさまは鯨を食べない。ぢぶさまと云うのは、大湊神社の神官松村家のことで、かつて治部の役に就いたことに由来するそうです。鯨は雄島の神様のお使いだから、これを食べると身体が腫れると言われています。  また、雄島はその形状が、鯨が変わった姿であるとも言われています。


雄島の話 「麻木三本」

 昔、爺と婆がモックリコックリと云われる場所から、麻木三本に雄島を乗せ、担いでやって来ました。ところがあまりに重いので、安島で下ろし一休みしていると、その間に根がついて動かせなくなってしまったそうです。こうして雄島が今の場所に出来たそうです。