古謡「どっしゃ どっしゃ」

【県指定文化財(平成6年5月20日)】

 7月の北潟祭りの夜に、安楽寺境内で、老若男女が思い思いの姿でにぎやかに歌い踊ります。
 伝承地である真言宗安楽寺は、泰澄大師が養老2(718)年3月3日に開基したと伝えられていて、越前と加賀の境に立地して栄え、信仰・文化の中心となり、同信の者が相集う内に即興掛け合いの歌謡が生まれ、それが踊りと結びついて盆踊りになったと考えられています。
 その発祥は平安時代末期と考えるものもあるが、定かではありません。
 かつては水干姿の小役人、百姓男、女衆、旅人などの仮装をして踊ったそうです。
 北潟は本来農耕、漁労を生業としてきたところで、激しい労働に明け暮れる生活の中から生まれたのが盆踊りで、荒々しい男の活力を見せる男踊りと、身振り優しく控え目な女踊りがあり、それが一層男踊りを引き立てたと言われますが、現在は女踊りは廃れました。